【レポート】外来・入院糖尿病療養指導(栄養指導)を通じて

私が糖尿病の患者様とお話しさせて頂いて、普段から感じていることがあります。

糖尿病の患者様は、「どうして自分だけがこんな病気になってしまったのだろう」という感情と闘いながら、ご自身のお食事管理、血糖管理を行っていらっしゃいます。

私は療養指導のなかで、患者様にこれまでのお食事をお聞きするのですが、「夕食後に間食をしてしまう、寝る前に食べてしまう」や、「仕事で夕食が遅くなる」など、健康な人でもありがちな食生活なのではないかなぁ~と私は思っています。

今後も糖尿病の患者様は増えると予想されています。
今回、多くのかたに、糖尿病の患者様がどのような思いでお食事に取り組んでいらっしゃるかを知って頂きたかったので、ここに書いてみました。

 

それでは患者様は、普段お食事でどのような事に気をつけたり、
工夫されたりしていらっしゃるのでしょうか?
(以下は療養指導の中での実際の患者様のお話です)

 

・外食しても常に「カロリー表示」を気にしながら食事を選んでいる
・野菜から食べるようにしている。一人暮らしではバランス良く、というのが
なかなか難しい。
・嗜好品の楽しみはとっておきたい。アルコールまでダメ、と言われたら生きがいがない。
・週4回→週3回に決めて飲もうと思っている。最近は焼酎もお湯割りにしている。
(ゆっくり飲むのが良いと思うから=血糖値をゆっくり上げるように)
・趣味(スポーツ)を通じた仲間からお菓子をもらう。断ったり、時にはこっそり
もらって食べたふりをするが、そういうのはつらい。たまには甘いものが食べたい。
・食事の日記をつけている。不足しているものが分かって補ったりと工夫しているせいか、
体重もコントロールできている。毎食野菜は欠かさない。
・よくかむようにしている。炭水化物を減らした。
・体重は運動で減らす
・夕方から寝る前に甘いものを食べていたが糖尿病と分かり、とてもショックで今は全く
摂らない
・糖尿病と指摘されてからは昼の外食を弁当に変えた(手作り弁当)。
・以前は農作業をする時から献立を毎日考えながら料理していたが、それが苦になって
きた。20~30分かけて食べる。

毎日毎日のお食事で色々と工夫され、色々な思いで、本当に努力されていらっしゃると思います。

 

では困っていること、なかなかうまくいかないなぁと
思われることなどはありますか?
(以下は療養指導の中での実際の患者様のお話です)

 

・何とかやせないと、と思って、食事を抜いて運動を優先。
(そのことで逆に体調を崩してしまった)
・運動しても食事を減らしても血糖値がなかなか下がらない。
・娘さんに頼りたいけど嫁にいったので頼れない。息子のお嫁さんには気を遣う。
・食事にお金をかけられない(経済的理由)
・朝、夕は食べるけれど、昼は食べない(または朝は抜いて、昼・夕のみ食べる)。
・目が悪くなったことで糖尿病と分かり、何を食べたら良いのか、不安で夜も眠れなかった。なかなか自分のこと(糖尿病になったこと)を配偶者(夫)へ言い出せなかった。
・仕事上、食事時間が不規則になる
・配偶者(特に妻)が亡くなってから生活が乱れた

患者様ご本人が食事療法を実行できる環境にあるかどうか、は最も重要なカギとなります。

支えてくれる家族や友人などは、患者様ご本人にとって療養を行う上で大変ありがたい存在ではありますが、支えてくれる家族にも時には配慮が必要となります。

料理を作る側(主に妻)にもストレスがかかり、負担を抱えていらっしゃることも多いので、たまには作らなくてもよい日を設けたり(外食など)、趣味があればストレス発散をしてもらうなど、患者様とご家族のバランスも上手に取って頂きながら、長続きできるような療養をして頂けたら、と考えています。

また、治療用食品や治療食宅配などを上手に利用する方法もありますが、お値段が決して安いものではないため、経済的に余裕がなければ利用も難しいと思われます。

おひとり、おひとりの体質や取り巻く環境、これまでの長年の食生活があるため、「理論的に正しい」食事療法を無理に当てはめる必要はないと思います。

ご自身の血糖値が高くても、「お孫さんやご主人のお食事のお世話をしなくちゃ!」とか、おひとりでご両親の介護に何年も携わっていらっしゃるかた、などなど・・・本当に患者様の生活はそれぞれ違いますが、そのかた、そのかたに応じて、ご本人が「できる範囲」を見つけて頂けるよう、これからも患者様と一緒に考えていけたらいいなぁと考えております。

 

糖尿病の治療食はバランス食、健康食ともいわれています。

 

基本的には和食になります。

「和食」は日本人の伝統的な食文化としてユネスコの無形文化遺産に登録され、食文化だけでなく、ヘルシーな面からも改めて注目が集まっています。
その中で、いつの年代の和食が理想的なのかを調べたら、1975年頃の和食(現在の60歳代の人が20歳代だった頃の和食)がもっとも健康的であることが分かったそうです。

お食事についてのご支援の中で、フードモデルなどを利用させて頂くのですが、実際食べていらっしゃる量と、食べてもよい量を比較したとき、「結構偏って食べていた」とか、「ここの食品をとりすぎていた」とか、「まだこの食品は食べてもいいんだ」などご理解いただけることが多いです。

何かお食事で疑問に思われることや、ご自身の必要量がどのくらいかお知りになりたい場合などは是非栄養指導(栄養相談)をご利用ください。

 

平成26年4月
栄養部 津代