放課後等デイサービスガイドライン(厚生労働省)によると、 現在の放課後等デイサービスの提供形態の多様性に鑑みれば、「放課後等デイサービスはこうあるべき」ということについて、特定の枠にはめるような形で具体性をもって示すことは技術的にも困難であり、支援の多様性自体は否定されるべきものではない。しかしながら、提供される支援の形態は多様であっても、障害のある学齢期の子どもの健全な育成を図るという支援の根幹は共通しているはずであり、したがって、放課後等デイサービスを提供する事業所が、その支援の質の向上のために留意しなければならない基本的事項もまた共通するはずである。放課後等デイサービスを実施するに当たって必要となる基本的事項を示すものであるが、ここに記載されている内容を機械的に実行していけば質の高い支援提供が確保されるというような、手取り足取りの事業マニュアルではない。各事業所は、本ガイドラインの内容を踏まえつつ、各事業所の実情や個々の子どもの状況に応じて不断に創意工夫を図り、提供する支援の質の向上に努めなければならない。
本ガイドライン並びに別添の「事業者向け放課後等デイサービス自己評価表」及び「保護者等向け放課後等デイサービス評価表」は、放課後等デイサービス事業所における自己評価の際に活用されることを想定しており、各事業所は自己評価の結果を踏まえて、事業運営の改善を図るとともに、結果についても利用者や保護者に向けて公表するよう努めなければならない。
放課後等デイサービスは、その提供が開始されてから間もなく、行われている支援の内容は多種多様であり、現在においても日々新たな支援形態が生み出されているものと想像される。その内容については不断の見直しによる改善が図られるべきものである。各事業所が本ガイドラインを活用して自己評価を実施するに際して、本ガイドライン自体の問題点に気づくことが想定されるところであり、今後、そうした気づき等を丁寧に拾いあげて本ガイドラインを更新していくことが求められる。各事業所の不断の努力による支援の質の向上とあいまって、本ガイドラインの内容もまた向上させていかなければならないものである。と記載されています。
「子ども発達支援事業所 くれよん」における「事業者向け放課後等デイサービス自己評価表」及び「保護者等向け放課後等デイサービス評価表」を以下に掲載いたします。
平成29年度 放課後等デイサービスの自己評価シートについての報告
実施方法:
アンケートは平成29年11月~平成30年1月に利用児の全保護者宛てに手渡しました。(アンケート発送11、うち、返送数9)アンケートは無記名で実施し、評価項目は告知された規定項目をそのまま使用しました。
アンケート結果:
① 全員が「はい」と答えた項目
「職員の配置数や専門性は適切か」
「子どもと保護者のニーズや課題が客観手に分析されたうえで、放課後等デイサービス計画が作成されているか」
「活動プログラム固定化しないように工夫がされているか」
「支援の内容、利用者負担等について丁寧な説明がなされたか」
「日ごろから子どもの状況を保護者と伝えあい、子どもの発達の状況や課題について共通理解ができているか」
「保護者に対して面談や、育児に関する助言等の支援が行われているか」
「個人情報に十分注意しているか」
保護者との連携・支援内容の理解に対して一定の評価をいただけていると理解しました。今後も、継続して努力してまいります。また、説明時に子供の声が響き、聞き取りにくいとの意見もありましたので、今後、環境や子どもへの声掛け等を検討し、配慮させていただきたいと思います。
② 評価が低かった項目(はいが5名以下)
「活動スペースが十分に確保されているか」
「放課後児童クラブや児童館との交流や、障害のない子供と活動する機会があるか」
「父母会の活動の支援や保護者回答の開催等により、保護者同士の連携が支援されているか」
「定期的に開放やホームページ等で活動概要や行事予定、連絡体制等の情報や業務に関する自己評価の結果を子供や保護者に対して発信しているか」
「緊急時対応マニュアル、防犯マニュアル、感染症対応マニュアルを策定し、保護者に周知・説明されているか」
「非常火災の発生に備え、定期的に避難、救出、その他必要な訓練が行われているか」
放課後児童クラブや児童館との交流に対しては、現段階で利用しているお子さんも多く、連携を図るようにしていますが、活動機会を提供するには至っていません。今後、保護者・子どもたちのニーズが高いようでしたら検討していこうと考えています。保護者会などについても、ニーズを把握したうえで検討していく予定です。
緊急時対応マニュアル等については、明示・訓練が不十分であったと考え、定期的な明示・訓練等を実施していこうと考えています。
③ その他
「どちらでもない」との意見が多かったものの中に、「定期的に開放やホームページ等で活動概要や行事予定、連絡体制等の情報や業務に関する自己評価の結果を子供や保護者に対して発信しているか」というものがありました。
現在、HP上での活動予定表は記載されておらず、月初めに持ってくるもの・お願い・場所の予定を示したものを配布している状況でした。今後、HP上での開示も含め検討していきたいと思います。
総括:
今回の保護者評価アンケートを通じて、保護者との連携・支援内容の理解に評価を頂いたことについては、非常に嬉しく、今後も継続して取り組んでまいります。一方、地域連携や保護者間の交流に対しての機会を設けていないことに対しての課題も見られてきていました。
また、各マニュアルの整備や避難訓練の実施について、定期的な緊急対応訓練を行ってきていますが、まだまだ不十分な点が多いと反省しております。今後、さらに定期的な各訓練・マニュアルの見直しを行っていき、改善していけるように努力していきます。活動スペースについては、施設物件に関わるため、当面は職員による対応や外遊びの拡大などを実施し、長期的な課題として取り組んでまいります。
保護者等向け 放課後等デイサービス自己評価表 | |||||
チェック項目 | はい | どちらでもない | いいえ | ご意見 | |
環境・体制整備 | 活動スペースが十分に確保されているか | 5 | 4 | ||
職員の配置数や専門性は適切であるか | 9 | ||||
事業所の設備等は、バリアフリー化の配慮が適切になされているか | 7 | 2 | |||
適切な支援の提供 | 子どもと保護者のニーズや課題が客観手に分析されたうえで、放課後等デイサービス計画が作成されているか | 9 | |||
活動プログラム固定化しないように工夫がされているか | 9 | ||||
放課後児童クラブや児童館との交流や、障害のない子供と活動する機会があるか | 3 | 6 | 1 | ||
保護者への説明 | 支援の内容、利用者負担等について丁寧な説明がなされたか | 9 | 時々子供の声が騒がしく聞き取りづらい時がある。 | ||
日ごろから子どもの状況を保護者と伝えあい、子どもの発達の状況や課題について共通理解ができているか | 9 | ||||
保護者に対して面談や、育児に関する助言等の心が行われているか | 9 | ||||
父母会の活動の支援や保護者回答の開催等により、保護者同士の連携が支援されているか | 3 | 6 | |||
子どもや保護者からの苦情について、対応の体制を整備するとともに、保護者に周知説明し、苦情があった場合に迅速かつ適切に対応しているか | 7 | 2 | 状況に面していないので(わからない) | ||
子どもや保護者との意見の疎通や情報伝達のための配慮がなされているか | 8 | 1 | |||
定期的に開放やホームページ等で活動概要や行事予定、連絡体制等の情報や業務に関する自己評価の結果を子供や保護者に対して発信しているか | 4 | 5 | よくわからないです。 | ||
個人情報に十分注意しているか | 9 | ||||
非常時の対応 | 緊急時対応マニュアル、防犯マニュアル、感染症対応マニュアルを策定し、保護者に周知・説明されているか | 3 | 4 | 2 | |
非常火災の発生に備え、定期的に避難、救出、その他必要な訓練が行われているか | 3 | 4 | 2 | ||
満足度 | 子どもは通所を楽しみにしているか | 7 | 1 | 記入漏れあり | |
事業所の支援に満足しているか | 8 | 記入漏れあり |
事業所向け 放課後等デイサービス自己評価表 | |||||
チェック項目 | はい | どちらともいえない | いいえ | 改善目標・工夫している点 | |
環境・体制整備 | 利用定員が指導訓練室等スペースとの関係で適切であるか | 1 | 5 | 活動内容に応じて場所の変更。移転を検討したい | |
職員の配置数は適切であるか | 3 | 3 | |||
事業所の設備等について、バリアフリー化の配慮が適切になされているか | 1 | 2 | 3 | 危険個所については早急な対応を必要とする。車椅子橈には対応しておらず、今後の課題となる可能性がある。 | |
業務改善 | 業務改善を進めるためのPDCAサイクル(目標設定と振り返り)に、広く職員が参画しているか | 6 | |||
保護者等向け評価表を活用する等によりアンケート調査を実施して保護者等の意向等を把握し、業務改善につなげているか | 3 | 3 | 可能な範囲で保護者の意向に沿えるようにしている。 | ||
この自己評価の結果を、事業所の会報やホームページ等で公開しているか | 6 | 今後随時開示していく予定 | |||
第三者による外部評価を行い、評価結果を業務改善につなげているか | 2 | 2 | 2 | 定期的に連携医療機関からの専門職員の介入を行っている | |
職員の資質の向上を行うために、研修の機会を確保しているか | 6 | ||||
適切な支援の提供 | アセスメントを適切に行い、子どもと保護者のニーズや課題を客観的に分析した上で、放課後等デイサービス計画を作成しているか | 5 | 1 | もう少し具体的なアセスメントを必要としている | |
子どもの適応行動の状況を図るために、標準化されたアセスメントツールを使用しているか | 5 | 1 | 標準化されたアセスメントを使用する場合に一定の職員しか使用できないのが現状 | ||
活動プログラムの立案をチームで行っているか | 5 | 1 | |||
活動プログラムが固定化しないよう工夫しているか | 6 | ||||
平日、休日、長期休暇に応じて、課題をきめ細やかに設定して支援しているか | 5 | 1 | 時期・状況に応じて変化をさせている | ||
子どもの状況に応じて、個別活動と集団活動を適宜組み合わせて放課後等デイサービス計画を作成しているか | 4 | 2 | スタッフ間での会議の時間を設け、子供の状況を共有している | ||
支援開始前には職員間で必ず打合せをし、その日行われる支援の内容や役割分担について確認しているか | 6 | ||||
支援終了後には、職員間で必ず打合せをし、その日行われた支援の振り返りを行い、気付いた点等を共有しているか | 6 | ||||
日々の支援に関して正しく記録をとることを徹底し、支援の検証・改善につなげているか | 6 | ||||
定期的にモニタリングを行い、放課後等デイサービス計画の見直しの必要性を判断しているか | 5 | 1 | |||
ガイドラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか | 3 | 1 | 2 | ガイドラインの確認をスタッフ間で共有していく | |
関係機関や保護者との連携 | 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか | 6 | 責任者が参加しており、事前の情報共有を行ってから参加している | ||
学校との情報共有(年間計画・行事予定等の交換、子どもの下校時刻の確認等)、連絡調整(送迎時の対応、トラブル発生時の連絡)を適切に行っているか | 6 | ||||
医療的ケアが必要な子どもを受け入れる場合は、子どもの主治医等と連絡体制を整えているか | 3 | 2 | 1 | 医療ケア児は通所していない | |
就学前に利用していた保育所や幼稚園、認定こども園、児童発達支援事業所等との間で情報共有と相互理解に努めているか | 6 | 保育所等訪問を利用したり、移行支援シートを作成している | |||
学校を卒業し、放課後等デイサービス事業所から障害福祉サービス事業所等へ移行する場合、それまでの支援内容等の情報を提供する等しているか | 6 | ||||
児童発達支援センターや発達障害者支援センター等の専門機関と連携し、助言や研修を受けているか | 6 | ||||
放課後児童クラブや児童館との交流や、障害のない子どもと活動する機会があるか | 6 | 児童クラブとの連携は行っているが活動は行っていない | |||
(地域自立支援)協議会等へ積極的に参加しているか | 4 | 2 | こども部会等の参加は行っているが、障がい者イベントへの参加は行っていない | ||
日頃から子どもの状況を保護者と伝え合い、子どもの発達の状況や課題について共通理解を持っているか | 6 | ||||
保護者の対応力の向上を図る観点から、保護者に対してペアレント・トレーニング等の支援を行っているか | 1 | 5 | 今後、ペアレントトレーニングの研修参加等を検討 | ||
保護者への説明責任等 | 運営規程、支援の内容、利用者負担等について丁寧な説明を行っているか | 6 | |||
保護者からの子育ての悩み等に対する相談に適切に応じ、必要な助言と支援を行っているか | 5 | 1 | 保護者の困り感に寄り添いながら、PT・OT等とも情報共有したり、全職員で話し合い、後日返答するなど対応している | ||
父母の会の活動を支援したり、保護者会等を開催する等により、保護者同士の連携を支援しているか | 6 | 今後、保護者のニーズを確認して検討していく。保護者同士が話せる場を設けたい | |||
子どもや保護者からの苦情について、対応の体制を整備するとともに、子どもや保護者に周知し、苦情があった場合に迅速かつ適切に対応しているか | 5 | 1 | |||
定期的に会報等を発行し、活動概要や行事予定、連絡体制等の情報を子どもや保護者に対して発信しているか | 5 | 1 | |||
個人情報に十分注意しているか | 6 | ||||
障害のある子どもや保護者との意思の疎通や情報伝達のための配慮をしているか | 6 | ||||
事業所の行事に地域住民を招待する等地域に開かれた事業運営を図っているか | 6 | 地域の方々にも協力してもらうことが多いので、来年度以降どのような運営の仕方が良いのかを考え、実行していきたい | |||
非常時の対応 | 緊急時対応マニュアル、防犯マニュアル、感染症対応マニュアルを策定し、職員や保護者に周知しているか | 3 | 3 | マニュアル作成は行っているが、周知できていない | |
非常災害の発生に備え、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行っているか | 2 | 4 | 今後行う予定である | ||
虐待を防止するため、職員の研修機会を確保する等、適切な対応をしているか | 3 | 3 | |||
どのような場合にやむを得ず身体拘束を行うかについて、組織的に決定し、子どもや保護者に事前に十分に説明し了解を得た上で、放課後等デイサービス計画に記載しているか | 5 | 1 | |||
食物アレルギーのある子どもについて、医師の指示書に基づく対応がされているか | 1 | 5 | 保護者からの聞き取りでアレルギー対策を行っているが、医師からの指示書等の検討をしていく | ||
ヒヤリハット事例集を作成して事業所内で共有しているか | 2 | 1 | 3 | インシデントレポートは作成しているが、事例集を作成していない。インシデントレポート提出の際に、情報を共有していた |