「嚥下調整食分類2013」のレポート~栄養部~

栄養部より5

6月の鹿屋地区栄養士会は「嚥下調整食分類2013」についてニュートリー株式会社の谷山氏よりご講演賜りました。病院、福祉、行政、委託会社、在宅の方々と30名近くの参加となりました。

 

0これまで介護食品に関係する制度として、聖隷三方原病院の金谷先生がご考案された嚥下食ピラミッド(一番最初に出された嚥下食の基準)、消費者庁から出している嚥下困難者用食品、農水省から出されているスマイルケア食・・・と嚥下食に関して基準も違い、共通用語がなかったことから、2013年9月 日本摂食嚥下リハビリテーション学会で共通して使用できることを目的に「嚥下調整食分類2013」が作成されました。ただ学会も開発段階にあり、これを基準にして各病院での段階食を作成してもらえたら、ということのようでした。

あとニュートリーさんの会社で、全粥をミキサーにかけただけのものと、それに酵素入りのゲル化剤を入れて混ぜたものとでは咽頭のすべりがどうか、という実験のスライドを見せて頂きました(傾斜45度)。
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ミキサー粥は意外にも咽頭にベチャっと貼りついてなかなか食道のほうへ流れていきませんでした。酵素入りのゲル化剤を混ぜたものでは塊となって、スルッと食道へ流れていくのが分かりました。お粥は主成分がでんぷんであることから付着性が高いので嚥下調整食として提供するには工夫が必要ということが分かりました。

また、薄いトロミ(1%濃度)、中間トロミ(2%)、濃いトロミ(3%)のお茶の試飲もありました。当院では濃いトロミくらいのトロミ状態でお出しすることが多いので、当院の傾向が分かり良かったと思いました。トロミ剤の扱い方によってトロミの付き具合が変わってくるので、加温する温度、持続時間、完全に溶解させることなど、注意事項を守りながら、患者様の嚥下状態に合わせたお食事を提供できるようにこれからも努めていきたいと思いました。

平成28年6月22日
栄養部 津代

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